
「派遣社員だと取りづらい?」
といった不安を感じる方は少なくありません。
有給休暇は雇用形態に関わらず、働くすべての方に与えられた正当な権利です。
この記事では、あなたが気兼ねなくリフレッシュできるよう、有給がもらえる条件や、派遣先との関係を良好に保つ申請マナーを分かりやすくまとめました。
最後まで読んで、理想のワークライフバランスへ向けた一歩を踏み出してくださいね。
>>派遣社員の有給はいつから使えるのか|2つの取得条件を先に読む
- ✓もらえる日数一覧
- ✓有給がもらえる2つの条件
- ✓有給の申請マナー
記事の目次
派遣社員も有給休暇は必ずある
派遣社員も、一定の条件を満たせば有給休暇は必ず付与されます。
有給の権利は派遣先ではなく「派遣会社」から付与されるため、働く場所が変わっても、同じ派遣会社との契約が続いていれば自動的に引き継がれます。
あなたらしく安心して働き続けるためにも、大切な権利として正しく理解し、 損をせず上手に活用していきましょう。
派遣社員の有給は法律で決まっている
年次有給休暇は労働基準法第39条に基づき、雇用形態に関係なく付与されます。
派遣社員の場合、有給を付与する義務は「派遣元企業(派遣会社)」にあります。
そのため、派遣先企業ではなく派遣会社が有給管理・付与・給与支払いを行います。
担当者コメント
「派遣だから有休は取りづらい」は過去の話です。法律での保障はもちろん、今は同一労働同一賃金や年5日の取得義務化により、派遣会社のサポート体制も一段と強まっています。
有休は心身を整え、高いパフォーマンスを維持するための大切な権利です。一人で抱え込まず、正しい知識を持って堂々と活用してくださいね!
派遣社員が有給を何日もらえるか【日数一覧表】
有給休暇として付与される日数は、「週の所定労働日数」と「勤続期間(同じ派遣会社で働いた期間)」の2つによって細かく決まっています。
週5日以上の方と、週4日以下の方でそれぞれ一覧表にまとめました。
あなたの今の状況と照らし合わせて確認してみてください。
週の所定労働日数が5日以上、または週の所定労働時間が30時間以上の派遣スタッフに適用されます。
| 勤続期間 | 6ヶ月 | 1年6ヶ月 | 2年6ヶ月 | 3年6ヶ月 | 4年6ヶ月 | 5年6ヶ月 | 6年6ヶ月以上 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 付与日数 | 10日 | 11日 | 12日 | 14日 | 16日 | 18日 | 20日 |
週の所定労働日数が4日以下、かつ週の所定労働時間が30時間未満の場合、労働日数に応じて日数が決まる「比例付与」が適用されます。
| 6ヶ月 | 1年6ヶ月 | 2年6ヶ月 | 3年6ヶ月 | 4年6ヶ月 | 5年6ヶ月 | 6年6ヶ月以上 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 週4日 | 7日 | 8日 | 9日 | 12日 | 13日 | 13日 | 15日 |
| 週3日 | 5日 | 6日 | 6日 | 9日 | 10日 | 10日 | 11日 |
| 週2日 | 3日 | 4日 | 4日 | 6日 | 6日 | 6日 | 7日 |
| 週1日 | 1日 | 2日 | 2日 | 3日 | 3日 | 3日 | 3日 |
年5日の有給休暇取得義務は派遣社員も対象
派遣社員であっても、年に5日は必ず有給休暇を取らなければいけないというルールがあります。
これは、有給休暇が年に10日以上もらえる人全員が対象で、派遣会社には派遣社員をしっかりと休ませる義務があります。
もし会社がこれを怠ると、国から指導を受けたり罰金を科されたりします。
そのため、最近では会社側のほうから「いつ休みますか?」と積極的に声をかけてくれるようになりました。
「自分からはなんとなく休みを言い出しにくい」という方でも、会社が計画的にサポートしてくれるため、年間で5日分は遠慮することなく確実に休めます。
派遣社員の有給はいつから使えるのか|2つの取得条件
派遣社員が有給休暇をもらえるようになる時期は、法律で決まっています。
有給休暇が使えるようになるのは、働き始めてから「6ヶ月」が経ち、その間の「出勤率が8割以上」という2つの条件を満たしたタイミングです。
1.勤務開始から6ヶ月経過している
派遣社員が有休をもらうための「6ヶ月続けて働く」という条件には、知っておくべき大切なポイントがあります。
途中で派遣先企業が変わっても、登録している「派遣会社」が同じであれば、働いた期間はそのままリセットされずに合算されるという仕組みです。
つまり、同じ派遣会社から就業している限り、職場が変わっても、最初のスタートから半年が経てばしっかりと有休をもらえます。
ただし、注意が必要なのは「契約終了から次の契約開始までの空白期間」です。
一般的に空白期間が1ヶ月を超えると継続勤務が途切れたとみなされ、有給のカウントがリセットされる可能性が高くなります。
逆に、同じ派遣会社内で1ヶ月程度の短い期間であれば、実務上は「継続勤務」とみなされるケースが一般的です。
2.全労働日の8割以上出勤している
有給休暇をもらうためのもう一つの条件が、「決まった日数の8割以上出勤していること」です。
例えば、週に5日働く契約の場合、半年間で休んだ日数が多すぎて出勤率が8割を切ってしまうと、せっかく半年が経っても有給休暇は1日ももらえなくなってしまいます。
ただし、以下のお休みは法律上「出勤した日」と同じ扱いになります。
- 仕事中のケガや病気によるお休み(労災に該当するもの)
- 有給休暇(有給を使って休んだ日は出勤扱いになる)
- 産前産後休業・育児休業(ママ・パパ向けの法定休業)
- 介護休業(家族のケアのための法定休業)
一方で、体調不良や私用による欠勤は出勤率を下げる原因になります。
「体調を崩して遅刻や早退をしてしまった」という日があっても、その日は法律上「出勤」としてカウントされるため、過度に心配する必要はありません。
ただし、連絡なしの無断欠欠勤などは出勤率に響くだけでなく、信頼関係にも関わります。
万が一お休みするときは早めに連絡を入れるなど、普段のちょっとした心掛けが自分の大切な有給の権利を守ることに繋がります。
担当者コメント
「出勤8割は厳しそう」と感じるかもしれませんが、「半年間で全体の2割(週5日なら約24日)までは休んでも大丈夫」と言い換えると少し安心できるのではないでしょうか。
参照:厚生労働省 次年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています
派遣社員の正しい有給申請方法とマナー
派遣社員が有給休暇を取るときは、お給料をもらっている「派遣会社」と、実際に働いている「派遣先」の両方に連絡をすることが基本のルールです。
派遣社員の有給申請は派遣会社にする
有給休暇の正式な申請先は、お給料をもらっている「派遣会社」です。
有給休暇や給料の管理はすべて派遣会社がしているため、いくら派遣先の担当者に口頭で「休みます」と伝えても、それだけでは有給を申請したことにはなりません。
申請方法は派遣会社によって異なりますが、以下のような方法があります。
- 派遣会社の担当者に電話かメール
- 派遣会社専用のWebサイトかアプリ
まずは利用している派遣会社の申請方法を確認しましょう。
派遣先企業の有給取得ルールを確認する
派遣先企業には、派遣社員の有給休暇を拒否する権利はありません。
ただし、どうしても仕事が回らなくなってしまうような特別な場合に限り、休みの日をずらしてもらう「時季変更権」を行使される可能性はあります。
お店やオフィスの繁忙期、チーム内で休みが重なっていないかなどは、事前に確認しておくと安心です。
特に、大事な締め切りや大規模な会議がある日を避けることは、社会人としてのスマートな気配りと言えるでしょう。
現在の労働市場では、スキルの高さと同じくらい「周りと協力して円滑に仕事ができるか」が重視されています。
自分の権利を一方的に主張するだけでなく、現場の状況を考慮しながら「この日にお休みをいただいても大丈夫ですか?」と相談できる姿勢が大切です。
こうしたちょっとした配慮が周りからの信頼を生み、結果として自分自身がストレスなく気持ちよく働き続けられる環境づくりへと繋がっていきます。
派遣スタッフが有給申請を伝えるタイミング
有給休暇の申請タイミングは、就業規則で「○日前まで」と定められていることが一般的ですが、マナーとしては「1〜2週間前」までに伝えることが理想的です。
直前の申請は、派遣先の業務スケジュールを狂わせ、周囲のスタッフに負担がかかります。
特に長期休暇を予定している場合は、1ヶ月前から内々に相談しておくと、派遣先も代替要員の確保や業務配分の調整がしやすくなります。
【例文】派遣社員が派遣先で気まずくならない伝え方
「有給を取りたいけれど、派遣先にどう切り出せばいいか分からない」「気まずくなったり、迷惑だと思われたらどうしよう」と不安になる方も多いのではないでしょうか。
有給は正当な権利ですが、派遣先へのちょっとした「言い方の工夫」ひとつで、職場の空気や人間関係は良くなります。
ここでは、シーン別にそのまま使える具体的なフレーズをご紹介します。
1.理由を深く聞かれたくないときの例文
有給の理由は「私用のため」で全く問題ありません。
ただ、それだけだと少し冷たい印象を与えることがあるため、「外せない用事がある」というニュアンスを柔らかくプラスすることがコツです。
口頭で伝える場合
「お疲れ様です。〇月〇日(〇曜日)なのですが、以前から外せない私用が入ってしまいまして、お休みをいただくことは可能でしょうか。
その週の〇〇の業務は、前日までにあらかじめ進めておきます。」
メール・チャットで伝える場合
件名:【有給取得のご相談】〇月〇日(木)〇〇(自分の氏名)
お疲れ様です。派遣の〇〇です。
私事で大変恐縮なのですが、〇月〇日(木)にどうしても外せない私用があり、有給休暇をいただきたく考えております。
当日の担当業務につきましては、前日までに〇〇さんへ引き継ぎ(または事前に完了)をさせていただきます。
繁忙期のところご不便をおかけして申し訳ありませんが、何卒よろしくお願いいたします。
2.体調不良で急に休むときの例文
急な体調不良は誰にでもあることです。
申し訳なさを伝えつつ、「いつ頃復帰できそうか」「現在の状況」を簡潔に伝えると、派遣先も安心し、業務の調整がしやすくなります。
朝に電話またはチャットで伝える場合
「おはようございます。派遣の〇〇です。
大変申し訳ないのですが、昨晩から発熱があり、本日は体調不良のためお休みをいただいてもよろしいでしょうか。
今から病院を受診する予定ですので、診断結果や明日の出勤可否については、午後(または夕方)に改めてご連絡いたします。
急なご連絡となり、ご迷惑をおかけして大変申し訳ありません。」
3.数日間の連休を取りたいときの例文
旅行や帰省などで2〜3日以上の連休を取りたい場合は、最低でも3週間〜1ヶ月前には相談を始めましょう。
「早めに相談して、業務の調整を頑張る意思」を見せることが好印象に繋がります。
事前に相談する場合
「〇〇さん、今ちょっとお時間よろしいでしょうか。実は、〇月〇日〜〇日の期間で、私用(または家族の用事など)のため連休をいただきたいと考えております。
まだ少し先の日程ですので、私の不在中の業務に穴が空かないよう、事前にマニュアルの作成や〇〇さんへの引き継ぎを進めたいと思うのですが、お休みを調整いただくことは可能でしょうか。」
派遣社員の有給に関するよくある質問
派遣社員の有給休暇は法律で守られていますが、「申請先」や「支給額」などの細かなルールは派遣会社ごとに異なります。
労働基準法改正の定着で非正規の権利保護がより強化されています。
あなたの権利を守るために、正しい知識を身に付けることが大切です。
ここでは、現場のリアルな悩みへの法的根拠と実務的なアドバイスを解説します。
疑問を解消し、自信を持って申請しましょう。
派遣社員の有給はどこから?誰が払う?
有給休暇の費用を支払い、管理するのは派遣会社です。
派遣社員は派遣先企業で業務を行っていますが、雇用契約を結んでいるのはあくまで派遣会社であるため、給与の支払い義務も派遣会社にあります。
派遣会社が派遣先に請求する「派遣料金」の中に、将来発生する有給休暇のコスト(引当金)が盛り込まれていることが一般的です。
あなたが有給を使っても、派遣先企業がその日の賃金を直接負担するわけではありません。
現場に対して心理的な負い目を感じる必要はまったくありませんので、安心して取得してくださいね。
派遣社員が有給がないと言われて拒否された場合の対処法は?
万が一、派遣会社から「うちの会社には派遣社員向けの有給制度はない」「今の派遣先が忙しいから取得は無理」などと言われたら、それは完全な労働基準法違反です。
まずは冷静に、自分の雇用契約書やWeb明細などを見て「半年以上働いているか」「出勤率は8割以上クリアしているか」という証拠を確認しましょう。
その上で、担当者に「条件を満たしているので権利があるはずです」とはっきりと伝えてみてください。
それでも改善されない場合は、厚生労働省の「総合労働相談コーナー」への相談がおすすめです。
>>2つの取得条件をもう一度確認する
派遣社員の有給でもらえる金額は給料の何割?
有給休暇中に支払われる金額は、原則として「就業規則で定められた計算方法」によりますが、多くの派遣会社では「通常の賃金(100%)」を採用しています。
つまり、その日に出勤した場合と同じだけの給与が支払われることが一般的です。
計算方法は、3通りあります。
- 通常の賃金:その日に働いた場合と同じ額(最も一般的)
- 平均賃金:過去3ヶ月の給与総額÷総日数(額が低くなる傾向)
- 健康保険の等級に基づき算出(事前の協定が必要)
同一労働同一賃金の徹底により、派遣社員であっても不当に低い金額(例えば基本給の6割など)での支給は認められていません。
例えば、時給が1,500円で、1日の所定労働時間が8時間であれば、12,000円が支給されることが基本です。
ただし、残業代や通勤手当の扱いは会社によって異なるため、就業規則の確認が必要です。
派遣社員の有給は買取してもらえる?
原則として、有給休暇の「買取」は法律で禁止されています。
有給休暇は「労働者の心身を休ませる」ための制度であり、お金で解決して労働を継続させることは法の趣旨に反するためです。
会社側が買取を前提として休暇を与えないことは認められません。
ただし、例外として「退職時に未消化の有給が残っている場合」や「時効(2年)で消滅する場合」に限り、会社が任意で買い取るケースはあります。
派遣社員が退職する場合有給消化できる?
もちろん可能です。
退職時に残っている有給休暇をすべて使い切ることは、派遣社員であっても当然の権利です。
派遣先との契約を更新せず退職する場合でも、契約期間内であればすべての残日数を消化できます。
派遣会社から「後任がいないから」「忙しいから」といった理由で拒否されることはありません。
なぜなら、退職日(契約終了日)が決まっている以上、会社側が「別の日に休んでほしい」と主張する時季変更権は使えないからです。
退職時の有給消化を拒むことは明確な法律違反ですので、安心して計画的に使い切りましょう。
派遣社員は有給がとりづらいと感じた場合どうすれば良い?
「現場が忙しくて休みづらい」「周りに派遣社員で休んでいる人がいない」といった心理的な壁がある場合は、まず派遣会社の担当者に相談しましょう。
派遣先との調整役は派遣会社です。
派遣社員が直接現場で交渉して角が立つのを防ぐため、担当者から「福利厚生の適正な行使として、休暇取得を推奨している」と派遣先へ伝えてもらうことが最もスムーズです。
他の対処法として、以下のようなものがあります。
- 制度があれば1日単位ではなく、半日休暇から利用してみる
- 担当業務の「マニュアル化」を進め、不在時のリスクを減らす
派遣社員の有給まとめ
派遣社員も、「半年間の勤務」と「8割以上の出勤」を満たせば、有給休暇を取得する権利は100%保障されています。
有給は心身をリフレッシュし、高いパフォーマンスを維持するために欠かせない法的制度です。
申請時は、雇用主である派遣会社への手続きに加え、派遣先へも配慮ある相談をすることで、契約更新の不安なく円滑に取得できます。
一人で悩まず正しい知識を武器に、あなたらしい働き方を実現しましょう。
>>派遣社員の正しい有給申請方法とマナーをもう一度見る