
「請負とはどんな契約?」
「派遣との違いがわからない」
とお悩みではありませんか。
請負とは仕事の完成を条件に、成果物に対して報酬が支払われる契約形態です。
また、派遣は働いた時間に応じて報酬が発生するという点で大きな違いがあります。
この記事では、請負の仕組みについてわかりやすく解説していきます。
>>先に請負とはどんな契約形態なのか見る
メリットとデメリットもお伝えするため、請負という働き方が自分に合っているのか知りたい方はご覧ください。
- ✓請負は仕事の完成を前提に、その成果に対して報酬を受け取る契約
- ✓請負には時間や場所に縛られず、自分の裁量で仕事を進められるメリットがある
- ✓収入の不安定さやミスの無償対応が請負のデメリットとして挙げられる
記事の目次
請負とは?どんな契約形態なのかわかりやすく解説
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請負とは仕事を最後まで仕上げることを条件に、成果物に対して報酬が支払われる契約です。
派遣やアルバイトのような時間給ではなく、Webサイトの制作や記事の執筆といった成果物を納品することではじめて報酬が得られる仕組みです。
発注者からの直接的な指揮命令を受けず、自分の裁量で働ける点も特徴の1つ。
プロとして結果に責任を持つ姿勢が求められる、自立した働き方でもあります。
Haken to Sukima編集者
逆に言うと成果物が最後まで完成しなければ、どれほど膨大な時間を費やしても報酬は原則として発生しません。
自由度が高い反面、自己管理能力とスキルの高さが求められます。
参照:第九節 請負(第六百三十二条―第六百四十二条)|e-Gov
請負と派遣の決定的な違い
請負と派遣は、以下の表のように指揮命令権や就業場所、報酬の対象が異なります。
| 請負 | 派遣 | |
|---|---|---|
| 指揮命令権 | 請負会社、または請負者個人が持つ | 就業先企業が持つ |
| 就業場所 | 請負会社や自宅であることが多い | 就業先企業であることが多い |
| 報酬の対象 | 成果物 | 労働時間 |
| 報酬体系 | 成果報酬 | 時給制 |
| 契約期間 | 業務が完了するまで、または成果物が納品されるまで | 契約で定められた期間まで(最長3年※) |
両者の違いを理解することで、あなたに合った働き方が明確になるでしょう。
指揮命令権
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請負と派遣は仕組みに違いがあり、仕事の指示を出す「指揮命令権」がどこにあるかが大きく異なります。
請負契約では請負会社、もしくは請負者個人が指揮命令権を持ち、業務を管理・遂行します。
また発注者が請負者に対して、具体的な作業プロセスや時間の使い方を細かく命令することは法律で制限されています。
派遣契約では、就業先企業が指揮命令権を持ちます。
就業先企業の担当者の指示により業務を進めていくという点が、請負との大きな違いです。
参照:労働者派遣と請負・業務委託の区分について|労働基準監督署
報酬体系
請負契約は、仕事の完成や成果物の納品に対して対価が支払われる成果報酬型です。
そのため仕事を早く終わらせるほど、実質的な時給が上がります。
例えば10万円の案件を5日で終わらせるのと10日で終わらせるのでは、手元に残る収入が大きく変わります。
一方で、派遣契約は働いた時間に対して給料が支払われる時給制がほとんどです。
請負は仕事が早く終わるほど効率良く稼げるのに対し、派遣は勤務時間が長いほど収入が増えていきます。
契約期間
請負の場合、契約の軸となるのは期間そのものではなく成果物の納期です。
仕事が完成して納品し、検収が完了した時点で契約上の義務は果たされます。
対して派遣は、あらかじめ労働期間が定められているという点に違いがあります
また単発から3ヶ月・6ヶ月の短期、1年程度の長期契約まで労働期間はさまざまです。
Haken to Sukima編集者
注意したいのは、派遣には「3年ルール」という法的な制限が存在する点です!
厚生労働省の定めにより、同じ組織の同一部署で3年を超えて働くことは原則できません。※
しかし請負にはこの制限がないため、特定のプロジェクトに長期にわたって関わり続けられます。
請負と業務委託における契約内容の違い
業務委託とは、企業がある特定の業務を外部の企業、もしくは個人事業主に任せる契約を指します。
業務委託の中身は大きくわけて、以下の2種類に分類される点が特徴です。
fa-caret-right委任(準委任)契約
請負と委任は、何に対して報酬が支払われるのかという点に大きな違いがあります。
請負は完成した成果物に、委任は労働時間やプロセスに対して報酬が発生します。
こちらの表にも違いをまとめました。
| 請負 | 委任(準委任) | |
|---|---|---|
| 目的 | 仕事の完成(成果物の納品) | 委任の場合: 法律行為の遂行 準委任の場合: |
| 報酬の対象 | 成果物 | 労働時間や業務のプロセス |
| 契約不適合責任 | あり(納品物に不備があれば修正が必要) | なし(善管注意義務が問われる) |
| 再委託 | 原則として可能 | 原則として不可 |
また請負は成果物の完成が義務なので、契約不適合責任を負います。
一生懸命頑張っても、出来上がったものに不備があれば責任を取らなければなりません。
一方、委任は業務の完成を約束していないため、原則として契約不適合責任は負いません。
その代わり、仕事に対し誠実に取り組んでいたかの善管注意義務が問われます。
Haken to Sukima編集者
フリーランス・事業者間取引適正化等法では、契約内容を書面で明確にすることが義務付けられました。
しかし違いを曖昧にしたまま契約を結んでしまうと予期せぬ責任を負わされるリスクがあるため、自分自身でも知識を身に付けておくことが大切です!
請負と派遣はどっちが良い?向いている方を解説
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請負と派遣のどちらを選ぶべきかは、あなたが仕事に対して「自由と報酬」を求めるのか、それとも「安定とサポート」を求めるのかによって決まります。
ライフスタイルや将来のビジョンを照らし合わせ、納得できる選択をしてくださいね。
請負がおすすめな方
請負は会社という枠組みに縛られず、自分の裁量で仕事を進めたい方におすすめな働き方です。
納期さえ守れば働く時間や場所は自由であるため、自分のペースで効率良く稼げるところが大きな魅力です。
ただし、請求書の作成や税金の管理、次の案件を獲得するための営業活動も行う必要があり、セルフマネジメント能力も求められます。
自分のスキルを報酬に変えたい実力派の方
プロ意識が高く責任感がある方
自己管理が得意な方
派遣がおすすめな方
派遣は安定したサポート体制の中で、着実に経験を積みたい方に向いているでしょう。
契約条件の交渉やトラブルが起きた際の対応は、すべて派遣会社が代行してくれます。
請負とは異なり、派遣社員は社会保険への加入や有給休暇の付与、残業代の全額支給が保証されています。
また経験が浅くても、さまざまな職場でスキルを磨ける点も派遣ならではのメリットです。
安定した収入と福利厚生を重視する方
未経験からスキルアップを目指したい方
決まった時間に働いて生活リズムにメリハリをつけたい方
Haken to Sukima編集者
派遣会社選びに迷っている方は、まずは大手派遣会社に登録しておくことをおすすめします!
大手ならではの手厚いサポートが受けられるため、派遣がはじめての方も安心して働けます。
請負で働く4つのメリット
請負契約で働く最大の魅力は、組織の枠組みに縛られず個人の力で勝負できる点にあります。
派遣社員のように時間で拘束されるのではなく、成果物の質と完成によって評価されるため、専門スキルを活かして働きたい方に最適でしょう。
1.自分の裁量で仕事を進めやすい
請負は納期と品質さえ守れば、業務の進め方をやりやすいよう自由に決められる点がメリットです。
注文主に指揮命令権がないため、作業の順序について細かな指示を受けることはありません。
そのため集中力の高まる早朝に一気に作業を進めたり、最新のツールを導入して効率化を図ったりと、あなたにとって最適な方法で働けます。
また会社に縛られないことから、稼働時間や休みを調整できるところもポイント。
まとまった休みも取れるため、ライフワークバランスも叶えやすいです。
2.作業効率化により収入アップが狙える
請負契約は作業量ではなく成果物の納品により報酬が支払われるため、作業の効率化がダイレクトに利益につながります。
短時間で高品質な成果物を完成できるようになれば、その分だけ時給単価を大きく引き上げられるでしょう。
例えば20万円の案件を1ヶ月かけて終わらせるか、作業効率を考えて2週間で完了させるかで、手元に残る利益は2倍も変わってきます。
また収入アップを叶えるためには、スキルを磨いたり、ツールを使いこなしたりする工夫も必要不可欠です。
3.働く場所に縛られにくい
請負の契約形態は成果物の完成を目的としているため、必ずしも特定のオフィスに出社する必要はありません。
自宅やカフェ、コワーキングスペースなど、働く場所をその日の気分や仕事内容により、自由に選べる点も大きな魅力です。
集中できる環境を自分自身で整えられるところが嬉しいですよね。
また場所の制約がないことから、仕事と家事・育児の両立もしやすいです。
4.人間関係のストレスが少ない
請負者と発注者は対等なビジネスパートナーとして仕事を進めていくため、職場特有の派閥争いや複雑な上下関係に巻き込まれにくいです。
常に誰かの視線を気にしながら作業したり、業務に関係のない社内行事や会議に強制参加させられたりすることもありません。
人付き合いにエネルギーを使い過ぎず、自分の仕事やスキル向上に集中したい方に理想的な環境です。
Haken to Sukima編集者
厚生労働省の調査でも、仕事で強いストレスを感じる理由として「対人関係」が上位に挙げられています。
請負であればもし相性が合わないクライアントだとしても、その案件が終われば関係を解消できるという逃げ道があります!
参照:令和5年「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況|厚生労働省のP.15「仕事や職業生活における不安やストレスに関する事項」
請負で働く3つのデメリット
請負という働き方は自由度が高い一方、派遣社員のような手厚い福利厚生を受けられないというシビアな側面を伴います。
またすべての責任を1人で負う必要があるため、トラブルが発生した際も自力で解決する力が求められます。
1.収入が安定しづらいときも
請負契約は働いた時間ではなく成果物の納品が報酬の条件となるため、月ごとの収入が変動しやすいです。
案件が重なる時期は高収入を期待できます。
逆に納品が翌月にずれ込んだり、次の受注までに空白期間が空いてしまったりすると、その間の収入が途絶えてしまうリスクも。
また収入を安定させるためには、自ら新規案件を獲得するための営業活動や、報酬・納期に関するクライアントとの条件交渉も欠かせません。
制作業務以外の負担が増える点も、デメリットとして挙げられます。
2.福利厚生が受けられない
請負契約で働く場合、基本的には個人事業主(フリーランス)という扱いになるため、企業に雇用されている正社員のような福利厚生は受けられません。
自分自身で国民健康保険や国民年金に加入し、保険料を全額負担する必要があります。
また有給休暇制度もないため、体調不良やリフレッシュで休んだ日は収入がゼロになります。
ほかにも健康診断の費用や仕事に必要な備品代なども、すべて捻出しなければなりません。
会社という後ろ盾がない分、万が一の備えや将来に向けた資金計画を自分自身で考える力が求められます。
3.納品後のミスは無償対応となる
請負において成果物が契約書で定めた仕様や品質に満たしていない場合、契約不適合責任に基づき、無償で修正に応じる義務が発生します。
時給制であれば修正作業にかかった時間分も給料が発生します。
しかし請負の場合、どれほど修正に時間がかかっても追加報酬は支払われません。
リスクを回避するためには契約を結ぶ段階で「何をもって完成とするか」を明確にし、修正を受け付ける期間や範囲を書面で合意しておくことが大切です。
請負に多い職種
請負の求人に多いのはものづくり系の仕事で、完成形が明確な職種であることが多いです。
- IT・システム開発系(受託開発エンジニアやネットワーク構築エンジニア)
- クリエイティブ系(Webデザイナーやイラストレーター、ライター、動画編集者)
- 建設・専門技術系(大工や建築士、設計士)
- サービス・配送系(翻訳業務や清掃代行、デリバリー)
特にITやクリエイティブ、建設系は専門性が高く、請負で働く際は一定以上のスキルが求められます。
特定の分野で実力を身につければ、高単価案件も十分に狙えるでしょう。
請負に関するよくある質問
請負の契約内容や働き方について、疑問を抱く方は少なくありません。
働きはじめてから後悔しないよう、よくある質問に目を通しておくことも大切です。
請負契約とは簡単に言うとどんな働き方?
請負契約とは、仕事の完成を約束し、その成果に対して報酬を受け取る働き方のことです。
派遣社員のように働いた時間に対して給料が出るのではなく、あくまで依頼されたものを最後まで仕上げることが報酬の条件となります。
どれだけ時間をかけて熱心に作業したとしても、最終的な成果物が完成して納品されない限り、原則として報酬は請求できません。
請負で働くと残業代は出る?
請負では独立した立場で仕事を請け負う個人事業主として扱われるため、残業代という概念そのものが存在しません。
労働基準法が定める労働時間の制限や、時間外手当の支払い義務は、あくまで雇用関係がある場合にのみ適用されるルールとなります。
納期が迫って深夜まで作業をしたとしても、契約で決めた以上の報酬が追加で支払われることはありません。
偽装請負とは?
偽装請負とは形式上は請負契約を結んでいながら、実態は労働者派遣のように注文者が請負人に直接指示を出している違法な状態を指します。
請負の本来の姿は、請負人が自らの判断と責任で業務を完遂することです。
しかし、注文者が「この手順で進めて」「このツールを使って」と細かく命令を下している場合、契約の趣旨から外れた偽装とみなされます。
参照:労働者派遣・請負を適正に行うためのガイド|厚生労働省・都道府県労働局
請負とは自由度が高い一方で責任も伴う働き方
請負は、時間や場所に縛られずに働ける自由度の高さが最大の魅力です。
専門分野のプロとして成果にこだわり、高収入を目指したい方に最適な働き方です。
ただし、派遣社員のように会社という後ろ盾がない分、残業代や有給休暇はない点をデメリットと感じてしまうときもあるでしょう。
後悔のない働き方を選ぶためにも、あなたが「自由」か「安定」のどちらを優先したいのかを冷静に見極めることが大切です。